2007年のクリスマスケーキは川村英樹シェフがオーナーシェフである
アテスウェイのアントルメを頂きました。
お店に直接予約することもできるのですが、ちょっと遠いので、伊勢丹のオンライン予約をしましたが...なんと予約開始5分程で既に完売。なのですがなんとかゲットすることが出来ました。
伊勢丹@新宿本店に受け取りに行きましたけども、袋からすぐに分かるアテスウェイのアントルメを持っていたら、結構羨望の眼差しが痛かった。やはり競争率が高かったと思われます。
●アントルメ“Tendance”(テンダンス)@6,300:川村シェフお得意の塩キャラメルを駆使したアントルメ。
Tendanceとはフランス語で読みだと「タンダンス」で、衝動という意味です。
土台にはカリカリとしたプラリネをショコラで和えたようなものが敷き詰められていて、周りはグラッサージュ・ショコラでもオレ(ミルク分が多い)と苦いものがマーブル模様になっています。内側は塩キャラメルのムースとショコラ・オ・レのムース、間にはビスキュイ・ショコラが挟まっています。
表面に飾られているプラック・ショコラも塩が効いていて、表面に銀や金色が施されていました。
味わいは...とにかくムースの舌触りが滑らかで心地よいことと、後から来る円やかな塩味がしっかり。キャラメルとショコラ・オレの風味がたまりません。また風味は全体的に調和しているのですが、後からキャラメルとショコラがグイっと押してきて、その後塩味が舌ジワっと残るのです。そして、周りのグラッサージュも極柔らかで口溶けを邪魔しません。土台に含まれているプラリネのカリカリとした食感がキラっと光るアクセントになっています。
突拍子もない組み合わせでもないし、最近では割と一般的な組み合わせですが、味加減とパーツごとの作り込みがしっかりとしていて、どの部分も美味しく頂くことができました。また、プラックショコラも滑らかな口溶けで、ほんのりとしたほろ苦さに塩風味がキラっと光ります。
塩キャラメルを一口に言っても最近は多くのお店が取り組んでいる組み合わせですが、味加減の妙を楽しめるお店はアテスウェイ位ではないでしょうか。塩キャラメルの究極の味わいと最先端の製菓技術を駆使したアントルメでした。
“Tendance”(タンダンス)=衝動というのは、このアントルメの中にどのような形で表されているのか...と考えると、やはり塩キャラメルの味わいだと思いました。修行したブルターニュへの敬意もそうだと思います。また、表面のプラックショコラの飾りつけが一見地味なのですがよく見るとちょっとヴィヴィッドで新奇なデザイン。この辺りが弾けるようなクリエンションの衝動の表現の一部でもあるかなと、個人的に感じました。
やっぱりアントルメで食べるとムースが安定していて、本来の力を発揮できていると思いました。アントルメの美味さは格別ですので一番好きなパティスリーのものを食べたいですね。(2008/1/6★5)
=============
川村シェフは新潟県生まれで、東京プリンスホテルに入社しパティシエ人生をスタートさせました。1997年にはクープ・ド・フランスで日本人として初めて総合優勝をするという快挙を成し遂げます(当時若干25歳)。2001年にアテスウェイを開店し、シェフパティシエに就任されましたが、こちらは(お魚系)竹若グループの傘下でした。しかし、晴れて2007年からオーナーパティシエとなり、新たなスタートを切りました(と、思っているのは私だけかな・笑)。HPも一新され、より川村シェフのことが前面に押し出され、プチガトーの詳細や素敵な写真も一杯です。
やはり色々見ていると、川村シェフのブルターニュでの経験がお菓子作りにかなり影響を与えているようです。バターやキャラメル使いの巧みさも、そんな片鱗なのかもしれません。
●オリオン@429:土台はダックワーズのようなボソっとした生地で、その上に、グレープフルーツ風味のやや硬めのババロワがのっています。中にはショコラのビスキュイとグレープフルーツの果肉。緑色の部分は青林檎のジュレで、全体は薄いゼラチンの層でオオカヴァーされていました。ささっているのはショコラブランのプラック。
薄いほろ苦さが全体的に円やかに広がります。果肉と一緒に食べると更に酸味と果汁が広がりとてもフレッシュです。さらに、青林檎のジュレは摩り下ろした青林檎の粒粒っとした食感もあり、こちらもとてもフレッシュな甘酸っぱさ。ジュレの部分とババロワを頂くと苦甘酸っぱさが薄っすらと広がって、なんとも複雑な風味で大人向きの味。★5
●アシデユレ@400:スペシャリテの一つに挙げられるプチガトー。てんとう虫をイメージした造形。土台はビスキュイ、その上の大部分はヴァニラビーンズ入りショコラブランの柔らかいムース。その中央には、ブランボワーズとパッション&マンゴーのクレームとビスキュイ。ショコラブランのムースは一部にライムの皮が入っていました。全体をグラサージュ・ショコラ・ブランでコーティングしてあります。ドーム型になったショコラブラン表面にはシロップで水滴、その中にはフランボワーズのジュレとブランボワーズの果実が隠れていました。
口解けがとてもよく、その後の香りの流れがなんとも不思議。ショコラブランのチャーミングな風味の後に甘酸っぱさとオリエンタルな香りが鼻腔に抜けます。スモーキィな香りの要素は全く入っていないはずなのに、ちょっとだけお香のようなものを感じてしまいました。中央にあるパッション&マンゴーのクレームは少量なのですが味が濃く仕上げてありました。そして後味のキレが良いのにもびっくり。ライムの皮の香りって不自然な芳香剤のようになりがちですが、こちらは全体と融合し、新しい香りが生まれていました。★4.5
●マリア@429:タルトレットです。土台はしっかり焼きこまれたパートシュクレ、その中にクレームダマンドのアパレイユ。その上の中央部分に少量のキャラメル風味のクレーム、フランボワーズ入り苺のババロワ、その中央にはフランボワーズのコンフィのようなものが入っていました。ババロワの表面にはナパージュヌートルが塗ってあり、フランボワーズの果実を3つ配して、その上には砂糖で作った透明なディスクをのせてありました。フランボワーズにはフォンダンのようなものを付けて、飴のディスクを安定させるようにしていました。
上からのぞいて見ると、刷りガラスみたいでとても綺麗です。
フランボワーズの甘酸っぱさが穏やかなに表現されていて、香ばしい仕上がり。でも、フランボワーズなのになんでこんなに香ばしいのかな?と思ったらタルトの焼き加減と中央に少量忍ばせたキャラメル風味のクレームの効果でした。これはスゴイ。
フランボワーズのババロワだけだと単調な味わいんなりがちですが、キャラメル風味のクレームが少量入ることで、なんとも言えない後押し、というか、拳で軽く一押し的な風味の強さが加えられているような気がしました。
●アムール・オ・ミュール@429:ミルティーユとは英語でいうところのブラックベリーです。こちらもタルトレットです。土台はしっかり焼きこまれたパートシュクレ、アパレイユは軽めのアーモンド入りガナッシュ・ショコラとミルティーユの軽いジュレ(種無)。その上にたっぷりのシャンティイ・ショコラとミルティーユとコポーショコラをデコレートしてありました。
ショコラのほろ苦さの中にしっかりと芳醇な乳製品が効いていて、同時にミルティーユの冷たく、暗く、濃いジューシィさが広がります。カッチリとしたパートシュクレと上にねっとり&ジュワっとした食感のコントラストも激しく。ここまでたっぷりとシャンティイ・ショコラがあっても重くならずに全体的にバランスが取れていました。★4.5
●クイニーアマン@305:かなり色合いが深いこげ茶色です。パータルベ(クロワッサン用発酵折込生地)を手粉代わりに砂糖をかけてながらまとめて焼いたもの。ブルターニュ地方の名物の一つです。
すごい色合い…裏返してみると、キャラメルが型一杯になっている様子。
キャラメルのコンクリートやぁ〜!と思わず叫んでしまいそうになりました。
発酵バターと塩が効きまくっています。そしてほんのりと香るシナモン。切るとザクッという激しい音。周りはガリッと中はサックリ。キャラメルが深い風味で、こんなにパンチの効いたクイニーアマンは食べたことがありません...。これを食べたら寿命が縮んでもいいやって思うくらい、ちょっと体には悪そうですが、美味でした。★5
見事の一言に尽きます。ブルターニュでの経験が色々なパーツで発揮されているようです。ただ無意味にそれらしさを押し付けるのではなく、さりげなく主張しているところが技アリです。キャラメルやバターの使い方が巧みなのは当然のことですが、素材の香りの混ぜ方も素晴らしいと思います。(2007/5/2★5)
おすすめメニュー
昼 1,000~3,000円
夜 1,000~3,000円
お店に直接予約することもできるのですが、ちょっと遠いので、伊勢丹のオンライン予約をしましたが...なんと予約開始5分程で既に完売。なのですがなんとかゲットすることが出来ました。
伊勢丹@新宿本店に受け取りに行きましたけども、袋からすぐに分かるアテスウェイのアントルメを持っていたら、結構羨望の眼差しが痛かった。やはり競争率が高かったと思われます。
●アントルメ“Tendance”(テンダンス)@6,300:川村シェフお得意の塩キャラメルを駆使したアントルメ。
Tendanceとはフランス語で読みだと「タンダンス」で、衝動という意味です。
土台にはカリカリとしたプラリネをショコラで和えたようなものが敷き詰められていて、周りはグラッサージュ・ショコラでもオレ(ミルク分が多い)と苦いものがマーブル模様になっています。内側は塩キャラメルのムースとショコラ・オ・レのムース、間にはビスキュイ・ショコラが挟まっています。
表面に飾られているプラック・ショコラも塩が効いていて、表面に銀や金色が施されていました。
味わいは...とにかくムースの舌触りが滑らかで心地よいことと、後から来る円やかな塩味がしっかり。キャラメルとショコラ・オレの風味がたまりません。また風味は全体的に調和しているのですが、後からキャラメルとショコラがグイっと押してきて、その後塩味が舌ジワっと残るのです。そして、周りのグラッサージュも極柔らかで口溶けを邪魔しません。土台に含まれているプラリネのカリカリとした食感がキラっと光るアクセントになっています。
突拍子もない組み合わせでもないし、最近では割と一般的な組み合わせですが、味加減とパーツごとの作り込みがしっかりとしていて、どの部分も美味しく頂くことができました。また、プラックショコラも滑らかな口溶けで、ほんのりとしたほろ苦さに塩風味がキラっと光ります。
塩キャラメルを一口に言っても最近は多くのお店が取り組んでいる組み合わせですが、味加減の妙を楽しめるお店はアテスウェイ位ではないでしょうか。塩キャラメルの究極の味わいと最先端の製菓技術を駆使したアントルメでした。
“Tendance”(タンダンス)=衝動というのは、このアントルメの中にどのような形で表されているのか...と考えると、やはり塩キャラメルの味わいだと思いました。修行したブルターニュへの敬意もそうだと思います。また、表面のプラックショコラの飾りつけが一見地味なのですがよく見るとちょっとヴィヴィッドで新奇なデザイン。この辺りが弾けるようなクリエンションの衝動の表現の一部でもあるかなと、個人的に感じました。
やっぱりアントルメで食べるとムースが安定していて、本来の力を発揮できていると思いました。アントルメの美味さは格別ですので一番好きなパティスリーのものを食べたいですね。(2008/1/6★5)
=============
川村シェフは新潟県生まれで、東京プリンスホテルに入社しパティシエ人生をスタートさせました。1997年にはクープ・ド・フランスで日本人として初めて総合優勝をするという快挙を成し遂げます(当時若干25歳)。2001年にアテスウェイを開店し、シェフパティシエに就任されましたが、こちらは(お魚系)竹若グループの傘下でした。しかし、晴れて2007年からオーナーパティシエとなり、新たなスタートを切りました(と、思っているのは私だけかな・笑)。HPも一新され、より川村シェフのことが前面に押し出され、プチガトーの詳細や素敵な写真も一杯です。
やはり色々見ていると、川村シェフのブルターニュでの経験がお菓子作りにかなり影響を与えているようです。バターやキャラメル使いの巧みさも、そんな片鱗なのかもしれません。
●オリオン@429:土台はダックワーズのようなボソっとした生地で、その上に、グレープフルーツ風味のやや硬めのババロワがのっています。中にはショコラのビスキュイとグレープフルーツの果肉。緑色の部分は青林檎のジュレで、全体は薄いゼラチンの層でオオカヴァーされていました。ささっているのはショコラブランのプラック。
薄いほろ苦さが全体的に円やかに広がります。果肉と一緒に食べると更に酸味と果汁が広がりとてもフレッシュです。さらに、青林檎のジュレは摩り下ろした青林檎の粒粒っとした食感もあり、こちらもとてもフレッシュな甘酸っぱさ。ジュレの部分とババロワを頂くと苦甘酸っぱさが薄っすらと広がって、なんとも複雑な風味で大人向きの味。★5
●アシデユレ@400:スペシャリテの一つに挙げられるプチガトー。てんとう虫をイメージした造形。土台はビスキュイ、その上の大部分はヴァニラビーンズ入りショコラブランの柔らかいムース。その中央には、ブランボワーズとパッション&マンゴーのクレームとビスキュイ。ショコラブランのムースは一部にライムの皮が入っていました。全体をグラサージュ・ショコラ・ブランでコーティングしてあります。ドーム型になったショコラブラン表面にはシロップで水滴、その中にはフランボワーズのジュレとブランボワーズの果実が隠れていました。
口解けがとてもよく、その後の香りの流れがなんとも不思議。ショコラブランのチャーミングな風味の後に甘酸っぱさとオリエンタルな香りが鼻腔に抜けます。スモーキィな香りの要素は全く入っていないはずなのに、ちょっとだけお香のようなものを感じてしまいました。中央にあるパッション&マンゴーのクレームは少量なのですが味が濃く仕上げてありました。そして後味のキレが良いのにもびっくり。ライムの皮の香りって不自然な芳香剤のようになりがちですが、こちらは全体と融合し、新しい香りが生まれていました。★4.5
●マリア@429:タルトレットです。土台はしっかり焼きこまれたパートシュクレ、その中にクレームダマンドのアパレイユ。その上の中央部分に少量のキャラメル風味のクレーム、フランボワーズ入り苺のババロワ、その中央にはフランボワーズのコンフィのようなものが入っていました。ババロワの表面にはナパージュヌートルが塗ってあり、フランボワーズの果実を3つ配して、その上には砂糖で作った透明なディスクをのせてありました。フランボワーズにはフォンダンのようなものを付けて、飴のディスクを安定させるようにしていました。
上からのぞいて見ると、刷りガラスみたいでとても綺麗です。
フランボワーズの甘酸っぱさが穏やかなに表現されていて、香ばしい仕上がり。でも、フランボワーズなのになんでこんなに香ばしいのかな?と思ったらタルトの焼き加減と中央に少量忍ばせたキャラメル風味のクレームの効果でした。これはスゴイ。
フランボワーズのババロワだけだと単調な味わいんなりがちですが、キャラメル風味のクレームが少量入ることで、なんとも言えない後押し、というか、拳で軽く一押し的な風味の強さが加えられているような気がしました。
●アムール・オ・ミュール@429:ミルティーユとは英語でいうところのブラックベリーです。こちらもタルトレットです。土台はしっかり焼きこまれたパートシュクレ、アパレイユは軽めのアーモンド入りガナッシュ・ショコラとミルティーユの軽いジュレ(種無)。その上にたっぷりのシャンティイ・ショコラとミルティーユとコポーショコラをデコレートしてありました。
ショコラのほろ苦さの中にしっかりと芳醇な乳製品が効いていて、同時にミルティーユの冷たく、暗く、濃いジューシィさが広がります。カッチリとしたパートシュクレと上にねっとり&ジュワっとした食感のコントラストも激しく。ここまでたっぷりとシャンティイ・ショコラがあっても重くならずに全体的にバランスが取れていました。★4.5
●クイニーアマン@305:かなり色合いが深いこげ茶色です。パータルベ(クロワッサン用発酵折込生地)を手粉代わりに砂糖をかけてながらまとめて焼いたもの。ブルターニュ地方の名物の一つです。
すごい色合い…裏返してみると、キャラメルが型一杯になっている様子。
キャラメルのコンクリートやぁ〜!と思わず叫んでしまいそうになりました。
発酵バターと塩が効きまくっています。そしてほんのりと香るシナモン。切るとザクッという激しい音。周りはガリッと中はサックリ。キャラメルが深い風味で、こんなにパンチの効いたクイニーアマンは食べたことがありません...。これを食べたら寿命が縮んでもいいやって思うくらい、ちょっと体には悪そうですが、美味でした。★5
見事の一言に尽きます。ブルターニュでの経験が色々なパーツで発揮されているようです。ただ無意味にそれらしさを押し付けるのではなく、さりげなく主張しているところが技アリです。キャラメルやバターの使い方が巧みなのは当然のことですが、素材の香りの混ぜ方も素晴らしいと思います。(2007/5/2★5)
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